華水の月

1.水中花

 俗に人は、誰かを愛しいと思う時、それを『恋』と呼ぶ。
 共に時を過ごし、相手の優しさに触れ、深まっていく愛情を感じ、自覚していくだろう。
 今私は、恋をしている、と。

 だが、突然運命のようにやってくる恋もあるのだ。
 知り得ない衝動に、錯覚さえも覚える。
 それは、逆らいようのない波。
 流水に浮かぶ華のごとく、流れに身を委ねるしかない恋。
 どこまでもどこまでも、終わりのない果てに流され続ける華のように。

 そんな時。
 人は、もう……恋をするのではなく
 恋におちている――。



 ことの発端は、薫の、『じゃあ、一緒に風呂でも入るか』の一言だった。
 何の躊躇いもなく、それがごく自然の流れであるかのように呟いた。表情には、いつもの極上の笑みを浮かべて。

 ――金曜。
 放課の時間になり、一人下校をしようと歩道を歩いていた美緒のところへ、見慣れた車が近づき、止まった。運転手にすぐさま思い当たった美緒は、途端にギョッとした。できれば逃げようかと思っていたのだが、そんな美緒の考えなどわかりきっているのか、逃げる前に引き止められていた。助手席側の窓が開き、運転手から声をかけられる。
「真中。一緒に帰らないか」
 案の定、かけられた言葉は、誘いの文句だった。
 途端泳ぐ視線。キョロキョロと周りに誰もいないか確認して、誰もいないと知ると、美緒は安堵の溜息をついた。
「櫻井先生。突然はやめて下さい。困ります」
「別にいいじゃん。俺だって、誰もいないのわかってるから、こうやって話し掛けてるんだし」
「でも、誰が見てるともわからないじゃないですか。バレたらどうするんですか?」
「別にいいんじゃない? 体の弱いおまえが俺の車に乗ってたところでどうせたいした問題じゃないだろう。俺が一言、『真中の調子が悪いので家まで送り届けました』って言えば済むことじゃん」
 美緒にとってはそういう問題ではないのだ。誰か一人にでも誤解されようものなら、耐えられそうもない。噂にすらなりたくないのだ。薫と自分を結びつけるものを、少しでも他人には知られたくなかった。それは、校医と生徒の禁断の恋に罪悪感を感じているとともに、この恋を必死に守るため。そんな美緒の気持ちを知ってか知らずか、恋人である学園の校医の櫻井薫は、平然とした表情をして、そう呟いた。心配ばかりしてバカじゃないの? とでも言いたげに。
「普通そういう状況に追い込まれることも嫌でしょ?」
「別に? おまえとだったらいくら噂になっても大歓迎」
「本当に怖いものなしなんですね……」
「あたりまえじゃん。俺を誰だと思ってんの?」
 ガックリと落ちる美緒の肩。
 この男には、不安や恐れというものがないのか、と思うと、なんだか途方に暮れてしまった。
「それに、優等生の真中美緒と校医が付き合ってるだなんて、誰が思う?」
「せ! 先生! そんなこと大きな声で言わないで」
「だから、誰も聞いてないっての。本当に心配性だな、美緒は」
 付き合ってると言っただけでも美緒にとっては大事であるのに、付け加えて名前まで呼んだ薫に、もう返す言葉もなかった。怒りとは違う、呆れとも言える感情が美緒を包む。
 そんな彼女にニッコリと微笑み、見つめながら
「どうする? 乗るの? 乗らないの?」
 と言った彼の表情には、いつもの意地悪さが見え隠れしていた。こういう物言いをする時は、美緒はNOとは言えないのだ。いや、言えないのではなく、言わせてもらえないと言った方が正しいのだが。どうせこの男の言うとおりにしかならないことを感づいている美緒は、渋々承諾するしかなかった。周りを再度見渡し、誰もいないことを確認すると、隠れるように素早くドアに手をかけ車に乗り込んだ。持っていたかばんを胸の前に抱え、顔を隠し、できるだけ周りから美緒だとばれないように。美緒の慌てた様子を見て、薫がクスクスと笑う。そんな彼の行動が、美緒の怒りをまた煽ると知っていて。

 それからどういうことか、今に至っている。
 湯気の立ち込めるバスルームで二人一緒に入浴中。
 最初は家まで送り届ける予定だったのだが、金曜だということもあり、少しくらい寄り道してもいいだろう? と、薫が美緒を強引に自分の家へ連れてきたのだ。着いてからは、別に何をするわけでもなく、ソファに座って二人でくつろいでいたのだが、薫が急に思いたったように、一緒にお風呂に入ろうと言い出したのである。
 だが、それを素直に受け入れるほど、美緒は羞恥心のない女ではない。精一杯の抵抗はしたのだ。できる限りの抵抗を。それにも関わらず、嫌がる美緒を残念がるでもなく、むしろ楽しむようにニコニコと笑いながら半ば強引に説き伏せ、結局薫の言うとおりの結果になってしまった。不本意と言えば不本意。でも、有無を言わせない薫の言葉には、最後まで抵抗できなかった。それは、美緒の意志が弱いのではなく、薫に弱いと言った方が正しいかもしれない。
 チャポン……と水音が馳せる度、なぜか淫靡な雰囲気が漂って赤面してしまう美緒がいた。白く濁ったいい香りのするお湯に首まですっぽりと浸かって、恨めしそうに薫を見ている。長い髪は軽くまとめてアップにしているものの、絶対に体を見られまいと必死でお湯に潜るせいで、随分濡れてしまっていた。
 そんな彼女のことなど気にかけていないのか、薫は平然とした表情で体を洗っていた。その平然さが憎らしくて、美緒は薫をじとーっと見入っていた。ふいに、美緒から向けられる視線に気付いてか、薫が振り返る。
「おまえ、体洗わないの?」
 ぷうと頬を膨らませて、美緒が薫を睨みつける。子供っぽいそんな美緒の様子に、薫は苦笑した。
「いつまで拗ねてんだよ。子供じゃあるまいし」
「子供ですよ。先生みたいに誰かと一緒にお風呂入ったりするの慣れてないもん」
「まるで俺が女とばっかり風呂に入ってるみたいな言い方じゃないか」
「どうせそうでしょ」
「おまえなあ……」
 決め付けてかかる美緒の台詞に、薫はなお苦笑を零した。
「悪いけど、おまえの予想と反して、昔の俺はそれほど女と戯れてたわけじゃないよ」
「嘘」
「嘘な方がいいのか?」
「そういうわけじゃ……ないですけど」
 薫の言葉はけして責めているようなものではなかったが、あえて問い返されると美緒は居心地の悪さを感じて仕方が無い。薫がそう言うのなら、きっとそれが本当なのだろう。
「おまえだからどんな場所でも一緒にいたい。風呂にしたって、一緒に連れてきたいと思うのは美緒しかいないよ、という言葉だけでは不満?」
「別に……」
 嘘のない直球な台詞が恥ずかしくて、美緒はどんな顔をしていいか分からず口元までお湯に潜り、恨めしそうに薫を睨み付けた。憎らしい。とにかくひたすらに憎らしいのだ。どんな言葉を投げかけても、サラリと交わして美緒を納得させてしまう薫の言葉が。だから、笑顔の一つも向けてやらない、と意地になる。
「あんまり浸かってばっかりいると、のぼせるぞ」
「じゃあ先生早く出て下さいよ。先生が出たら私も出るから」
「俺はまだ出ないし」
「じゃあ、私も出ないもん」
 そう言ってくるりと背中を向けた。
「全く、おまえの強情なところは出会った頃から変わらないな。俺が押せば、結局はウンって言ってくれるくせに」
「い、言いません。今回は言いません!」
 声が震えてしまうのが若干情けなく感じながらも、美緒は必死で自分を叱咤した。絶対流されるものか、と。
 薫の言う通り、美緒は薫の望むことを最後まで断りきれないところがある。どれだけ抵抗しても、薫が強く要求すれば、それに応じてしまうのだ。ウン、と言うのは不本意だが、その後の嬉しそうな薫の笑顔が大好きで大好きで仕方がない。結局のところ、美緒は薫にとことん弱い。
「へえ。今回は、ね。そんな風に意地を張ってられるのもいつまでかな」
 薫はシャワーで泡を流し立ち上がると、膝を抱え込んで微動だにしない美緒の後ろからゆっくりと足を入れて、美緒を抱きこむように湯船に浸かった。
「しかたないな。じゃあ、せめて肩まで浸かるのやめろよ」
「なっ……!」
「ほら、これで少しは涼しいだろ?」
 腰を抱き上げられ、薫の膝の上に座らされた。しかも、後ろからではなく、正面で向き合うように。否応なしにも、美緒の体は薫の膝に跨るような形になる。そして、膝の高さの分だけ体が持ち上がったせいで、美緒の白くて柔らかそうな胸は薫の目に晒されることとなる。
「おー。いい眺め」
「ちょ、ちょっと先生! やめてください!」
「何が?」
「何がって……」
 胸のあたりに視線を感じて、思わず両手で隠していた。真っ赤になってしまう頬は、のぼせたせいではないだろう。美緒が恥ずかしがっているのがたいそう嬉しいのか、薫はニヤリとほくそ笑んだ。
「隠すなよ。勿体無い」
「無理! 見せるなんて絶対嫌!」
「嫌っておまえ、彼氏なのに……」
「たとえ先生でも嫌なの。恥ずかしいの!」
「綺麗だから見たいんだよ。おまえの体」
「だから、そういうこと言わないで下さい」
「なんでだよ。普通褒められたら嬉しいだろ?」
「自信家の先生とは違うもん。私は褒められたって全然嬉しくないの」
「ったく、しょうがねえなあ」
 恥ずかしさのあまり目に涙を溜めて拒む美緒に、薫はそれ以上無理強いしなかった。自分の胸をギュッと抱き締めて打ち震える美緒の姿は、まるで雨に打たれてフルフルと震える仔猫のようで、目の前の薫はそんな彼女を瞳に映して愛おしそうに微笑んでいた。
 たかが裸を見られることくらい、恋人同士なら自然なことだと美緒だって分かっているし、勿論これが初めてのことではない。だがまだ二度しか抱かれた経験のない美緒にしてみれば、部屋中が明るく、一目で全てを見渡せてしまうこの環境で、男と風呂に入るなど羞恥の極みなのだ。薫だってそれを分かっているはずだ。しかし、それで終わせてくれるほど薫も優しくはない。
「せっかく一緒に風呂入ってるってのに、おまえがそんなんじゃ意味ないだろ」
「ちゃんと一緒に入ってるじゃないですか。これ以上どうしろって言うの?」
「おまえ、風呂の醍醐味わかってる? 裸のお付き合いだろ、裸の」
「……バカじゃないの?」
「おまえがな」
 美緒は唇をキュッと噛み締めて、悔しそうに薫を睨みつけた。それ以上反論する台詞が見つからなかった。
「隠すと見たくなるのは自然の常だろ。そうやっておまえが過剰に反応すればするほど、自分が追い込まれることになるってわかんないのか?」
「……だって嫌なんだもん」
 薫の言うことも一理ある。一緒に風呂に入ることを嫌々とは言え承諾した以上、それは既に薫の要求を呑んでいるも同じなのだ。頭ではわかっている。だが、心がどうしても薫の要求を受け入れられない。好きな人だからこそ恥ずかしいのだ。とてもじゃないが、今の美緒にはまだ、羞恥を捨てるのは至難の業だった。
「わかったよ。じゃあ、キスさせて」
「……どこに?」
 そう言ってしまってから、後悔した。
 どこに? などと、あえて聞き返す必要はなかったのだ。普通、唇だと思えるのだから。わざわざ薫を喜ばせることを言ってしまったことに、悔しさがこみあげた。
「どこにして欲しいの?」
 やはり返ってきた意地悪な質問。
「……いらない」
「本当に?」
「いらないもん」
「じゃあ、本当にいらないのか、体に聞いてみようか」
 薫はそう言って美緒の背に腕を回すと、ゆっくりと抱き寄せ、無防備なまでの首筋に舌を這わせた。舌が動くたびに、ビクッと反応してしまう美緒の反応を楽しみながら、横目で我慢している表情を窺っている。
 揺らめく視界、立ち上る薫の香りに欲情する体、そして感じる舌先の熱に眩暈すら起こしそうになった。
「んっ……あっ……」
 思わず漏れる愛らしい声。感じないようにしているつもりが、余計に快感を研ぎ澄ませていた。
 静寂とは、時に性欲を刺激する要素の一つに成り得るのかもしれない。耳に届く水音は、もはや薫の唇が立てるものか、湯船の水音なのか、わからなくなるほど頭の中が快感で霞んでゆく。体を隠す白い湯も、薫の抱く腕も、飽和する空気でさえ世界全てが温かく虚ろであるのに、時折触れる薫の濡れた髪の冷たさが、クリアな世界へと引き戻した。目をうっすらと開けると、いつもとはまた違った薫の姿。濡れた髪がやけにセクシーで、頬に滴る雫さえも淫靡に思えた。見据える瞳は、相変わらず女だろうかと見紛うほどの色気を漂わせて。
 首筋を這っていた舌は、いつしか美緒の唇を捉え、ひとしきり濃厚な口付けを堪能したかと思うと、また頬を辿り、胸元へと下りていった。
「手、邪魔」
 胸元を抱き締めたままの美緒の腕が優しくほどかれる。最初は少し抵抗を見せたものの、快感に魅せられ始めた体は、この先にあるより深い快感を求めた。薫の目の前に晒される綺麗な裸体。細身の割りに重量感のある形の良い胸に、右手が添えられる。あまりの柔らかさに、指の形が抵抗なく肌に食い込む。左手は、美緒が逃げたりしないように、しっかりと腰を抱きこんでいた。
 薫の唇が、美緒の胸の頂きにある蕾を捉える。優しく嬲るように舐めた後、軽く甘噛みした。すると、電流の走るようなその刺激に、美緒が思わず薫の頭を抱き締めた。小さく、甘い声を漏らしながら。
「嫌だとか言ってたのはどこのどなたでしたっけ?」
「……知らない」
「ふーん。じゃあ、やめようか?」
「イジワル……」
「褒め言葉だな」
 トロンと溶けてしまいそうな目をして薫を見つめる美緒の表情は、どんな大人の女よりも色っぽい。もう何人もの女を相手にしてきた薫も、美緒のこの表情には参っていた。経験もろくにないくせに、あっさりと性欲を煽る色気は、生まれ持ったものなのかもしれない。
「なあ、美緒。ここでしようか」
「……ダメ」
「なんで?」
「こんなところでしたことないもん」
「だからしようって言ってるんだけど?」
 続けて拒む言葉を口にしようとする唇を薫が強引に塞ぐ。
 のぼせてしまったせいなのか。それとも、体が薫を求め始めているからなのか、美緒の吐息は熱く、そして目元には涙をうっすらと浮かべていた。
「もう覚悟決めて」
「どういう、意味?」
「こんなに可愛い美緒を冷ましてしまうのは惜しい。ここから逃がさないって、決めたから」
 薫は艶っぽく微笑んでみせると、美緒の胸を弄っていた右手を腰へと滑らせ、そしてその下方にある彼女の秘部へと潜り込ませた。入り口に指が触れた途端、美緒が体を震わせ小さく喘いだ。お湯とは違う、彼女から溢れる蜜が薫の指を湿らせる。少しの間触れるだけの仕草を続けて、ゆっくりと指が入ってこようかとした瞬間、バスルームよりもずっと遠くから物音がした。場所的に言って、玄関のあたりから。
「何っ?!」
 美緒が小さくそう叫ぶと、途端に口を手で塞がれていた。それまで快感に身を捩じらせていた美緒の体が現実へと引き戻される。薫の目をじっと見、彼から何かを確かめようとしたが、薫は薫で少しの焦りを見せていた。何を言うわけでもなく、チッと小さく舌打ちをすると、美緒を隠すようにギュッと抱きしめ、そして彼女が湯船に浸かる前まで体に巻きつけていたバスタオルを手に取る。それを躊躇いなく美緒の体に巻きつけると、肌の一部分も見えないように彼女を包み込んだ。
 彼にはこれから何が起こるのか予想できるのだろう。その一連の動作に、全く無駄はなかった。だが、その機敏さが、美緒の不安を余計に煽った。
「カオル!」
 二人の耳に届いたのは、明らかに若い男の声。一度だけではなく、何度か名前を呼んでいるのが聞こえる。
 どうやら、玄関を乗り越え、廊下あたりをうろついているというのは、声のトーンでわかった。近づく足音。薫はあえてバスルームを出るでもなく、美緒が動かないようにギュッと抱き締める。焦りを見せていた表情は、平然さを取り戻していた。美緒が戸惑うように薫を見るものの、彼は大丈夫だと小さく呟いて、彼女の髪を優しく撫でた。
 さっきよりも、人の気配が近くにいるのがわかる。ドキドキと高鳴る美緒の鼓動。
 薫は、小さく息を吸うと、バスルームの外にいる人間に聞こえるよう、大きな声で叫んだ。
「入浴中だ! そこでちょっと待ってろ!」
 普通の人間ならば、そこで大人しく待っているのかもしれない。
 しかし、物音がした時から感じていた嫌な予感は、あっさりと的中してしまった。近づく足音と共に、勢いよく開かれるバスルームの扉。姿を現したのは、声からして若い男だった。薫は相手を見た後、ヤレヤレと言った感じで天井を仰ぎ、美緒の顔が見えないよう頭ごと抱き締めていた。
「なんだ薫。こんなところにいたのかよ。……っていうか……」
 かくれんぼでもしていたかのように、意気揚々と楽しげに話す男は、目の前に広がる光景を目にしたにも関わらず、その声色から悪びれた風は全く感じられなかった。むしろ、ラッキーとでも言いたげにとても楽しそうなのだ。
「わりい……まさか女と一緒に風呂入ってるなんて思わなくてさ」
 言葉とは、全くの裏腹な態度で。普通こういう光景を目にすれば、咄嗟に扉を閉めるなりして、相手に気遣うだろう。だが、この男は開いた扉から一歩も動かず、関心深げにこの光景を見ていた。男の目線からは、美緒の顔は全く把握できないだろうが、薫が女を抱きかかえて湯船に浸かっているのは一目瞭然。薫は、ハァ……と溜息をつくと、ポンと美緒の頭を軽く叩いた。見られたことに呆れているのではなく、むしろ美緒との情事を邪魔されたことに気に入らない様子だった。
 そんな余裕を振りかざす二人とは反対に、美緒は想像もし得なかったこの偶然にただ混乱するしかなく、跳ね上がる鼓動を胸に抱えるしかなかった。のぼせてしまったせいか、朦朧とする思考。
 ただ現実に感じられるのは、頬に触れる薫の髪の冷たさだけだった。

 それが、櫻井泉との出会い。
 ――そう。最悪の。

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